ちょっとしたメモ

自己防衛としてのセマンティック・ウェブ

W3Cの10周年シンポジウムに関連していろんな記事が出ているが、その中でちょっと面白かったのが、Jon Udellが12月3日付のInfoworldに寄稿したBootstrapping the semantic Webだ。セマンティック・ウェブが始動する要因として、「自己防衛として自分に関する情報(メタデータ)を提供するようになる」という視点を挙げている。

オントロジーが必要なのか、Googleで十分なのかといった定番の話を検討したあとで、UdellはEliyonという人物情報検索サイトの例をとりあげる。ここは a Web-based service that extracts information about people and companies from millions of published resources on the Web というもので、要は人についての情報サービスなのだが、(今の)ウェブから自動抽出した情報は当然不正確なものが含まれる(試してみると、「The Web KANZAKIという会社に勤める従業員の情報」なんでのが出てきたりする)。自分に関する間違った情報が提供されるというのは、ありがたいことではない。クレジットカード番号を登録して認証すれば情報を修正できるといったって、それは違うだろうというわけだ。

Udellは記事をこう結んでいる:

Semantic-Web naysayers think people and organizations can't be bothered to assert machine-readable facts about themselves. And, today, that is undoubtedly true. But when others assert facts about you -- as they increasingly will -- the tide could begin to turn. Individual acts of self-defense may ultimately combine to bootstrap the semantic Web.

わざわざ自分に関する機械可読なデータを用意するなんて面倒なことをみんながするわけない、というのは確かだけれども、今後このような情報自動収集・提供サービスは増えてくるから、いい加減なデータを提供されるくらいなら自分できちんとメタデータをつくるんじゃないか。“自己防衛としてのセマンティック・ウェブ”は、案外現実的な話かも知れない。

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