ちょっとしたメモ

CSS 2.1今度こそ

CSS本の校正を戻そうとした矢先に、CSS 2.1の改訂草案がでてきてびっくり。diffをとって比べたところ、昨年6月の最終草案と大きな違いはなかったので、原稿も僅かに修正するだけで校了できた。いやはや、最後まで一筋縄ではいかなかったこの本も、5月中旬にはようやく形になりそうだ。

CSSにおいて「2.0」が登場したのは1998年のこと。近頃の流行をはるかに先取りしていたわけだけれど、何しろ巨大で複雑な規格だから最初から完璧というのは難しく、CSS 2.0の記述には不整合や現実との食い違いが少なからず見られる。不備な部分を整理するために改訂版がでてくるのは必然だ。

ところが、最初の草案が公開されたのは2002年8月だというのに、それから4年近くたってもいまだにCSS 2.1は草案段階でしかない。ひとこと言いたいというのがやたら多いこともあって、2年前にいったん勧告候補になりながらまた草案に逆戻りと、CSS 2.1の策定は迷走してきた。しかし、今回の草案が contains most of the changes that resulted from comments on the previous draft と謳いつつ昨年のものと基本的にほとんど同じであったことを見ると、今度こそこの線で収束する(させる)という期待を持っていいかも知れない。少なくとも、CSS2のモデルの根幹をなす定義(これがCSS 2.0では甘かった)は、ほぼ固まったのではないか。CSS WGの新しいロードマップでは、6月に勧告候補、12月にテストスイートとなっている。うまく行けば来年に勧告、というのは楽観的に過ぎるかも知れないが。

ほぼ基本線が固まった気配だとはいっても、今の段階でCSS 2.1の解説を書くというのは、冒険ではある。だが、W3CのCSSホームページの仕様リンクはずいぶん前から2.1だし、エディタの一人Ian Hicksonが「伝統的な番号付けならCSS 2.5だ」と述べているように、CSS 2.0と2.1の違いはかなり大きい。いつまでも「CSS 2.0勧告では○○だが、ブラウザの実装は△△」みたいな説明ばかりしている場合ではないのだ。

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