ノリントンのベルリオーズ演奏会

Standing Roger

ロンドン在住の小川さんから、ノリントンのコンサートのプログラムと、その時の様子のイラストを送っていただきました。

ロジャー・ノリントンは今シーズン(95年10月〜96年2月)ロンドン・フィルハーモニックを指揮して、The Romantic Experienceと題した5回にわたるベルリオーズの連続演奏会を行いました。主な曲目は

となっており、それぞれノリントン自身による曲目の紹介もあったようです(上のイラストはその時の様子)。88年のロンドン・クラシカル・プレイヤーズとのオリジナル楽器による「幻想交響曲」で世界的に注目されたノリントンですから、ベルリオーズについてはいろいろ深く掘り下げて研究しているはず。プログラムでも Conducting Roger

これまでに私は幸運にも彼の全主要作品といくつかのマイナーな作品を指揮してきました。それらの全てにおいて、私は彼の練達の技法、驚くべきオリジナリティ、そして素晴らしい明快さに引きつけられてきました。これらによって彼の感情的アイデアが、音楽として透徹したリアリティを与えられているのです。ベルリオーズは大言壮語で知られていますが、彼の音楽は、その起源を、文学的芝居気を、さらにはその音符すら超越して、まっすぐに私のハートに届くように感じます。

と述べています。

演奏会そのものは、評論家デヴィッド・マレイが「リハーサル時間の制約を思わせるいくつかのミスはあったものの、音楽は生気に溢れ、ノリントンのきらめく知性が演奏全体を貫いていた」(ロメオとジュリエットについて。2/19付Financial Times)と評するように、素晴らしいものだったようです。

* ページ冒頭のイラストはスピーチをするノリントン。小川さんのメールによると2/14の「ロメオとジュリエット」の時は

“本日のコンサートは、私の1番好きなフランス作曲家....今のところの(と付け加える)、ベルリオーズの壮大な劇交響曲です。インターバルはありませんのでご了承ください。それではロマンティックなバレンタインの夕べをお楽しみください。”
美しいオックスブリッジ英語で優雅にスピーチしているのに、照れなのか(?)片足のかかとをぶらぶらさせていたのが可笑しかったです。

ということです。

また、小さい方のイラストは「きゅろっきゅろっきゅろっ!と鳴らせるところでダンスするノリントン」だそうです。ノリントンは指揮をするときにいろいろとアクションが大きいのですが、良く感じが出ていると思います。素敵なイラストをありがとうございました。

* ちなみに同コラムによると、ロンドンではこの4カ月にベルリオーズの「ロメ・ジュリ」が3回も演奏されたとのこと。ノリントンの他には、95/10にガーディナーがレヴォルーショネル・エ・ロマンティークと、11月にはコリン・デイヴィスがLSOとそれぞれ演奏し、いずれも好演だったと伝えています。

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