An introduction to HTML 4.0

◇ 1997年7月8日、W3CからHTML 4.0の作業原案(Working Draft)が発表され、同12月18日には勧告(Recommendation)となりました。機能拡張競争によりどのタグを使えばいいのか分からなくなりつつあるHTMLを、Netscape、Microsoft、Sunなどの有力企業を交えてもう一度整理し、新しい可能性を示す拡張も取り込みながら将来にわたって互換性を保証する規格です。HTML4.0の概要をプレスリリース日本語版も用意されました)から拾い上げてみます。

◇ 最新版は4.01です。さらに新しい規格としてXHTMLも勧告されています。

DTDが公開されているので、正確な情報はそれを読むのが一番です。とはいえDTDを直接読むのはなかなか面倒なので、ここではHTML 3.2からの変更点を中心に、DTDと仕様書を拾い読み解説してみます。

◇ さらに詳しい解説は仕様書HTML 4.01 Specificationを参照してください。

新機能

HTML 4.0では、これまで各ブラウザが独自に開発してきた拡張も含め、国際性や障碍者にも配慮した新しい機能をいくつも提供しています。

より容易なアクセス環境の提供

障碍を持つ人がより容易にWebドキュメントを利用できるように、機能強化が図られています。例えばテーブルの「CAPTION」やフォームのグループ化とラベルは音声合成に役立ちますし、キーボードショートカットの導入も障碍を持つ人の利用をサポートします。

国際化

ようやくISO-10646(おおざっぱにいえばUnicodeのこと)の文字セットがサポートされました。従来のHTMLでは、基本文字セットがISO Latin-1になっており、厳密にいえば日本語を使用したHTML文書は不正なものになってしまっていたわけです。これを解決するために、RFC 2070 においてHTMLの国際化が提案されましたが、HTML 3.2の規格ではこれが取り入れられず、4.0の制定が待たれていました。これによって日本語文書が正式なものとなるだけでなく、lang属性を指定することで複数言語が混在した文書を作成したり、dir属性を指定することで、アラビア語のような右から左に書く文字もサポートされます(でも、縦書きは含まれません。これはちょっと無理か)。