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2026-07-05
- 細川俊夫の「セレモニー」を、マリオ・カローリ+ハーグ・レジデンティ管+準・メルクルの演奏で。Fl/AFl/Piccを持ち替えての独奏が呪術師的役割で自然/世界を表すオケとアニミズム的儀式を交わす。「二人静―海から来た少女」は能に基づき平田オリザが脚本を書いた1幕オペラで、静御前の霊が地中海に漂着した難民少女に宿るらしい(ただし前者は能謡、後者はSopで別)。演奏はいずれも上質。Naxos 8.574656 #nml (original post at )
- 百合の花を抱き海から来た少女 (original post at )
- TheAtlanticからThe Dictator in His Labyrinth モスクワで事態が緊迫するとプーチンはしばらく姿を消す傾向があり、ウクライナがドローンで反攻を強めてからこうした「休養」が何度か見られる。月曜日のインタビューでは燃料不足などの問題には退屈そうにする一方で戦況についてはいまだ熱心だったが、ロシア国民の81%が明日にも戦争が終わることを望んでいる (original post at )
- 山崎正和「装飾とデザイン」を読んだ。造形には機能に基づいて全体の基本的な形を計画・統一する“デザイン”と過剰なものを付け足す“装飾”があるということを、古代エジプトやギリシャに遡って確認し、それが現在にどうつながっているのかを説く。というのだが、古い時代の話は「のはずである」「にちがいない」が連発されて、いや著者の頭の中では当然なのかも知れないが本当なの?というところが論拠なしだとまたもやそれって○○でしょ的。さすがに近代に入るとフィードラーとかコリングウッド、ペヴズナーなどが参照されるが現代の芸術を相手にしても新しい理論が踏まえられることもなく、で結局はそりゃそうだろうという以上のものは読み取れなかった。大学院の放送講座の講義ノートをもとにしたというから、流れを紹介する概論と思えばよいのかも知れないが (original post at )
2026-07-04
- タン・ドゥン「茶は魂の鏡」をサントリーホールで。白スーツのオケに3打を準独奏とし、2Hpを挟んで中央に回転舞台を設えている。陸羽の『茶経』を巡って王女の弟と恋人が争うという話を回想の形にして前後に僧院場面を置く3幕だが、クライマックスとなる部分がだらだら続く上に最後に10年後の京都に戻るダメ押しで締まりない。音楽はシンプル/そこそこだが打の効果はともかくオケまでPAだらけの水増し音に声はほぼ(?)肉声でアンバランスなこと甚だしい。これでは“ホールオペラ”の意味なくまるで小さくまとめた宝塚みたい (original post at )
- 梅雨の茶に水増す音のあわれかな (original post at )
2026-07-03
- 巫女を呼ぶ宇宙の口に牛かわず (original post at )
- N響Music Tomorrow 2026をオペラシティで。我妻英「管弦楽のための《祀》」は尾高賞受賞作品で遠野物語に発想を得たという掛け声などあるがffが飽和して金打しか聞こえない。2F1列3でもこんなものか。杉山洋一「夢へのきざはし」は中音域の音色、特に木管が珍しい味だが936人の赤ん坊の名前を7進法の数字に読み替えて作ったというがどういうことか聞き取れず。ピエルルイジ・ビローネ「ボッカ・コスモイ」はグループ分けされたオケとその中に入った独奏女声+Trbと。グリッサンドを多用する弦(このCbは我妻作品と違って聞こえる)に硬質な打がアクセントを添えて波のごとく寄せては返し、途中から出てくる声はマイクを通した巫女のようでTrbは牛蛙みたい。どうやって収めるのかはらはらしたが終わってみれば一つの絵巻か (original post at )
- オースティン・ウリマンの「ロスト・ワン」を、ジャック四重奏団の演奏で。微分音で隣接する音がポルタメントで下降したりしながらゆっくり変化していく。「脱出権」はさらにPizzやスルポンの厳しい音も加えてより密集する。「ライヴ・ニューズ」は高音域のミニマル反復やノイズのように伸び縮みする音で3章。「レイト・エディション」は速いテンポの刻みでギリギリと攻めるがやや煩い。最後に付録としてケージの「トーテムの祖先」のSQ編曲版。Sono Luminus SLE-70037 #nml (original post at )
2026-07-02
- ラヴェルのピアノ曲全集を、チョ・ソンジンの演奏で。しなやかで柔らかいタッチが音楽にマッチして心地よい。「鏡」「クープランの墓」など、こんな響きあったっけと発見するほど。協奏曲はオケがいまいちなところがあるが、ト長調と左手の両方が収められており、独奏曲と合わせたっぷり堪能できる。DG 00028948668281 #nml (original post at )
- 坂部恵「仮面の解釈学」を読んだ。素顔だけでなく仮面も〈おもて〉であるということをソシュール、デリダ、レヴィ=ストロース、フロイト、ラカン、和辻哲郎をはじめさまざまな論を縦横無尽に引いて組み立てていく。〈おもて〉をシニフィアンとか内―外の二元論ではなく述語面としてとらえるとか固有名詞とペルソナとか、Seinの訳語としての存在から日本語をSP的な欧米伝統論理よりもP(a,b,c)的な述語論理でとらえるとか。言葉のこだわりが尋常ではなく語源に遡っての考察に気圧されるが、IV「しるし・うつし身・ことだま」の特に富士谷御杖による言霊論は現代語訳無しで攻められるので辛かった。読み応えあるも手強い (original post at )
- 石竹のそよぐ宇宙エーテル体 (original post at )
- 府中市美術館「松本陽子 宵の明星を見た日」展に行ってきた。荒野の光1987-1995と第されたピンクのアクリル画の部屋が圧巻で、《光は荒野のなかに拡散しているII》《振動する風景的画面III》など雲に包まれているような光が生まれてくるような。初期絵画ではやはりアクリルに目覚めた《自然のなかの形象I》から。気韻生動2003–2010では薄淡い白の広がる《宇宙エーテル体I》。油絵の緑はあまりピンとこなかったが最新作はインタビュー映像で幻の植物が語ると述べられていた《植物に視つめられる私》など青に繊細なタッチの白い線模様。充実していて3周した。コレクション展は前回の続編「牛島憲之の世界」が響いて《邨》など (original post at )
2026-07-01
- 短調の鏡の中のねじればな (original post at )
- NYTimesからIn A.I. Boom, Internet Castoffs Get a New Life イタリアのベンディング・スプーンズ社はAOL、Evernote、Vimeo、Issuuといった良い製品と顧客基盤を持ちながら埋もれてしまったネット企業を買収して徹底したリストラと絞り込んだ戦略で価値を取り戻している。AOLは今でも月間3000万ユーザーがあるのだという (original post at )
2026-06-30
- リチャード・フェスティンガーの「むかしむかし…」を、カレッジ・ニュー・ミュージックの演奏で。Vn+Vc+Pfのトリオで無調ながらしっとりした情感とソナタ形式に準じる構成を持つ不思議な魅力の3楽章。「隠された春」も味のあるつくりでFl/AFl+Ob/Ehr+Vn+Vc+2Guitでマンドリンも持ち替えで入る音色が魅力的な単一楽章。「巡礼へ」はBCl+Vcで渋く重心が低いところからうねりつつ昇る。「風の歌」は木5で細かな運動を持つ短い急緩急の3章。「祈り」はOb+Cl+BCl+Fg+ASaxというリード楽器五重奏であまり音色には魅力がないが面白い動きが組み合わされる。New Focus Recordings FCR441 #nml (original post at )
- 緑跳ぶ遊びの庭に蝉生る (original post at )
- 向いの木立で蝉が少し鳴いた(☞参照) (original post at )
2026-06-29
- R.シュトラウス「エレクトラ」を新国劇で。主役のアイレ・アッソーニもクリソテミスのヘドヴィグ・ハウゲルドも抜群の声量で、男声は出番も少なくやや地味だったがほぼピエロとしてずっと舞台にいた下僕や集団の下女たちまで歌はしっかり。大野和士指揮の東フィルも難曲を堂々と鳴らし声とのバランスもよい按配。演出は動きが少なく明暗のコントラストが強調されピエロやブランコが陰惨な話と別次元の現代風で賛否両論みたいだが、全体として満足度高 (original post at )
- 雨上がり森の風にも夏の色 (original post at )
- 加藤喜之「福音派」を読んだ。聖書はすべて正しいとして終末論を信じ現在はその終末直前の悪が露出する時期だと本気で考える人々が何千万人もいるというのがどうにも理解不能。その不可思議な信仰が原理主義からどのように進んできたのかを丁寧に解き明かす。登場人物が多岐にわたって混乱しそうになるが、トランプのみならず歴代大統領の関わりを軸にしてその影響の深さが浮かび上がる。進歩派も多少は存在し若い世代は離れているというもののこの人種差別=アメリカ第一思想が政治と密接な関係にあるということを抜きにしてはこの国との付き合い方は考えられない (original post at )
2026-06-28
- NYTimesからHow Teaching A.I. to Speak Cajun Can Help Save a Language ケイジャン音楽のフィドル奏者兼歌手をAlexaにリクエストすると、よく似た名前の現代ポップ音楽のリストが出てきてしまった。滅の危機に瀕している言語の情報を得るためには学習させるしかない(たぶん記事が途中までしか読めない) (original post at )
- 八度幅を耐える肘かな虎が雨 (original post at )
- As/Rの埋もれた機能をいろいろ探してずいぶん使いやすくなった。v19.5で変更された1行選択モードが嫌なので19.3に戻してアップデート見送りしてきたが、19.8で元と同様に修正されてこれなら大丈夫。めでたく最新版に追いついた :)(☞参照) (original post at )
- はぁなるほど、ゲーテを題材にしたプログラムだったのか。「魔法使いの弟子」がゲーテのバラッドによるものだとは知らなんだ。メンデルスゾーンも「静かな海と幸ある航海」なる詩に触発されたのだと。良く見たらチラシにはテーマが一言書かれていたが、当日のプログラム冊子には選曲の趣旨といった記載はなし(☞参照) (original post at )
2026-06-27
- 雲ながれ女神を照らす梅雨の月 (original post at )
- 東響742定期をサントリーホールで。沖澤のどか指揮で、前半は「魔法使いの弟子」、グノー「ファウスト」という音教プロ。まぁこういう曲もしっかりやりますという姿勢は買うし音も心地よいが、これで40分近くはやはり飽きる。後半はメンデルスゾーン「静かな海と楽しい航海」にブラームス「運命の女神の歌」と「アルト・ラプソディ」で一転して渋い音色がよく響く。女神の方は編成の割に管もよく鳴る。合唱は女声のビブラートがちょっと邪魔だったが悪くない。ラプソディ独唱はAではなくCTで良く言えば繊細だが音が埋もれて届かずいくつか音程も微妙。ちょっと意味不明のアンバランスなプログラムで満足度はいまいち (original post at )
- スティーヴン・ジャッフェの弦楽四重奏曲第3番「タペストリー」を、チオンピ四重奏団の演奏で。軽やかで懐かしい憧れをまといつつ遊び心でモダンな響きも混ぜる6つの楽章。アンソニー・M・ケリーの「サイドラインズ」は不思議な旋法のフーガ=野球と変奏曲=バスケ。スコット・リンドロスの「スライ・ロード」はSSaxを加えて田舎のハイウェイののどかな景色が徐々に忙しくなり賑やかな往き来へ。New Focus Recordings FCR433 #nml (original post at )
- ハラルド・ゲンツマーの「カンターテ」を、メラニー・ドレハー+ペーター・ピヒラーの演奏で。ミクスチュアトラウトニウムという初期の電子楽器を用いてのアダプテーションで、まぁこの楽器の特性ということになるわけだがいかにも古くさいチープ感満載。それでも声との相性は悪くなく、ふわりと叙情的な表現は遠くを振り返るような味わいがあるとも言える。併録はヒンデミットのオラトリオ「無限なるもの」第1部第4曲、 デッサウの歌劇「ルクルスの審問」抜粋、さらにピヒラーの「7つの大罪/7つの徳」。いずれもミクスチュアトラウトニウムを用いたキッチュな響き。NEOS12507 #nml (original post at )
- 飯田真樹「ゲルニカ」を、中根浩晶の演奏で。ロシアによるウクライナ侵攻を機に作られたそうで平和で穏やかな日々を襲う暴力を描いているのだろうが、前者をロマン派もどきの音で表現しつつそれを歪めたり破壊的な要素を織り交ぜたりというのなら素朴に過ぎるのでは。併録の「エレジー」もまた。途中で放棄したが覚えとして。unfinis UNFS-202501 (original post at )
- エドワード・カウイーの「ピアノ・ソナタ第1~3番」を、ロデリック・チャドウィックの演奏で。第1番は副題「火成岩」でゴツゴツした塊の合間にスクリャービン風(?)の神秘的なもやがかかる単一楽章。第2番は「堆積岩」でより重心が高く浮遊する感じ。やはり単一楽章。第3番「変成岩」は深いところからゆっくり湧き上がるような主題と12の変奏。いまひとつ捉えどころがない。Metier MEX77123 #nml (original post at )
2026-06-26
- イグナシオ・バカ・ロベラの「エル・リャマド」を、アレハンドロ・エスケール+オニクス・ムジカ・コンテンポラネアの演奏で。BCl+Vc+打+Elecで特殊奏法が浮遊するように重なっていく。「クオンタム・リープII」はBCl+打+Elecで唸り声も。「見えないタイムマシン」はVn+Elecで電子音の刺激が強い。「シクロスIII」はPf+Elecで多重録音か多重奏者でずれた音が重なる。「響の練習III」はFl/BFl+Cl/BCl+Vn+Vc+Pfで8部からなりそれぞれ中心となる楽器が変わるがNMLのトラック1は誤ってクオンタム・リープIIになっている Urtext JBCC372 #nml (original post at )
- 梅雨雲を越えてゆく鈍いろの羽根 (original post at )
- ジャ・ダーチュンの交響的協奏曲「梨园の印象」を、リン・ダーイエ+深圳交響楽団の演奏で。4つの楽章は四川、崑、北京、秦の歌劇にインスピレーションを受けたと題され、それぞれ銅鑼と太鼓、竹笛、二胡/京胡、スオナを独奏楽器にした協奏曲のようになっている。しっとりした部分はそれなりに味わいもあるが、すぐにうるさくなって、特に最後のスオナ(チャルメラ)は神経逆撫でする。作曲者の漢字名は贾达群。Naxos 8.579176 #nml (original post at )
- ルイジ・ノーノの「未来のユートピア的ノスタルジー的遠方」を、ミランダ・カックソン+クリストファー・バーンズの演奏で。ギドン・クレーメルの即興と部屋の椅子や扉や会話などノイズを録音・加工した8トラックサウンドを従えて、Vn独奏がハーモニクスや刻みや即興的なアルペジオなどを奏でる。6つのセクションがそれぞれ会場の譜面台に置かれ奏者はその間を移動していくように求められるという。下の階の内装工事の音も曲の一部と勘違いしたような、1988/89の作品。Urlicht AudioVisual UAV55992 #nml (original post at )
- クルターグの「6つのバガテル」を、マルクス・ブレニマン+イルカ・エンメルト+ミヒャエル・クライザーの演奏で。Fl+Cb+Pfのトリオが素朴に淡々と。「サイン~」のようにCbが結構しっかり働く。「情景」はFl独奏(NMLページの+Pfは誤り)が時おり声も交えて。『サイン、ゲームとメッセージ』は独奏の他に+BFlの「ある2つの花」、2Fl+AFlの「ミリアム・マラベの思い出に」、Bar+BFlの「かわいい鳥 - パントマイム」など。さらに「ヘルデッケのオイリュトミー」は+ライアー(小型竪琴)、「ちょっとした苦境」はPicc+Trb+Guitという変わった編成。TACET Musikproduktion TACET281DIG #nml (original post at )
2026-06-25
- そぼ濡れるアーチ潜りて額の花 (original post at )
- 木村洋「「蒲団」の時代」を読んだ。日本文学史においてほとんど徒花のように扱われている自然主義について、その実際の価値を探ろうと多数の同時代文献を引用しながら論じた力作。ツルゲーネフの「父と子」に連なる、明治の旧体制=親とそれに反発し個人の価値観を赤裸々な言葉で打ち出す自然派=倅の対立と捉え社会的意義を強調するのは分かる。ただ引用されている中島孤島の「純粋の意味でいふ文学上の現象といふよりも、ヂャーナリズムの趨勢から生まれた一現象」にいみじくも示されているように、直截的表現は確かに一つの殻を破ったにしても、内容が空疎だという通説を覆す説得力はなく(敢えてかも知れないが)やや空回りの印象 (original post at )
2026-06-24
- NYTimesからFrom Joyce Carol Oates, a ‘Frenzy’ of Fear and Foreboding ジョイス・キャロル・オーツの49番目の短編集に収められた9編の物語もまた常に恐怖が潜んでいる (original post at )
- 玉突きの行方を見れば梅雨曇 (original post at )
2026-06-23
- 蝸牛を回る古層の意識かな (original post at )
- GYRE Gallery「SPECTRUM 2076 AD ─ 来たる世界の意識体」に行ってきた。気候変動やテクノロジーの特異点を経た50年後の未来という視座から現代を審問するのだそうで、デリダの憑存在(ハントロジー)やらメイヤスーやらニーチェやらベルクソンやら大仰な開催趣旨のもと、池田謙の聴覚スペクトラム、山田晋也の重層的~という色層が重なり合う絵画、熊谷亜莉沙の記憶の~という朽ちていく絵画、草野絵美の生成的~という過去の写真をAIで高速モーフィングする映像、あと森万里子、名和晃平、牧田愛。まずまず面白いがやや肩に力が入りすぎという感じも (original post at )
2026-06-22
- 十薬や忘れた頃の魔法陣 (original post at )
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