ちょっとしたメモ

2005版セマンティック・ウェブ・スタック

WWW2005バーナーズ・リーの基調講演は、作者と読者という2つの「神様」間の駆け引きという形でコンテンツの問題、特にスパムやセキュリティとそれに関連してのウェブ言語の話を述べ、さらにMWIの設立とからめてモバイルの話題で締め括っていた。これ自身、毛色が変わっていて面白いプレゼンテーションだが、その中で示された1枚の図がちょっと目を惹いた。

(図)OWLとRuleが並列におかれた新しいレイヤーケーキ: 05, (図)従来はOWLの上にRuleがおかれていた: 02

図05は、講演の後半、ウェブ言語の中でセマンティック・ウェブ言語は読者がコントロールできる要素がいろいろある、といったことを述べた時に出てきたものだ。これはお馴染みの「レイヤーケーキ」の図だが、従来のプレゼンテーションで用いられていた図02に一部変更が加えられている。

従来の「Ontology」のレイヤーが「DLP bit of OWL/Rules」となり、Rulesの単独層にOWLが並列で置かれるようになった。4月にW3C Workshop on Rule Languages for Interoperabilityが開かれたりして、推論規則言語に関する標準化の活動が動き始めたことを反映するのだと思われる。もともとこのレイヤーケーキは厳密な階層を示すものではないとする考え方が一般的で、書籍でもそのように紹介していたわけだが、わざわざ図を作り替えてきたところに今後のW3Cの力点も垣間見えるので、メモしておこう。