今度こそ本当に全集完結か? メーカーのサイトでも26巻までと謳っているので、いちおうこれで一区切りだろう。その第26集は「イドメネオ」と「エジプトの王ターモス」、それに教会ソナタとカノンという混成セットの6枚組。

第26集:イドメネオ他
「イドメネオ」はハンス・シュミット=イッセルシュテット指揮シュターツカペレ・ドレスデンの演奏で、1971-05-22/29の録音。やや古い演奏ではあるものの、録音はしっかりしているし、ドレスデンはビブラートをあまりかけないのでとても聴きやすい。「伝統的スタイルによる演奏としていまだに愛好者の多い」ものだそうで、確かに歌手はちょっとそんな感じだが、全体としてはよろしいのではないだろうか。
「エジプトの王ターモス」はイェルク・フェルバー(Jörg Faerber)指揮ヴュルッテンベルク室内管弦楽団&合唱団による1976の録音。それにタラス・クリサ(Taras Krysa)指揮スロヴァキア・シンフォニエッタの2002-05の新録音で「レ・プティ・リアン」K.299bと「イドメネオのバレエ音楽」K.366が加わっている。フェルバーの演奏はどうしても古さを感じてしまうが、クリサの新録音は溌剌としていい感じだ。
5枚目は17曲の教会ソナタで、ボフスラフ・マトウシェク(Bohuslav Matousek)のVnとコレギウム・ヤロスラフ・トゥマ(Collegium Jaroslav Tuma:トゥマとその仲間たち?)による1996年の録音。マトウシェクのVnはちょっとビブラートが大きくて違和感があるが、全体としては楽しく聴ける。6枚目は41曲のカノン集で、ニコル・マット(Nicol Matt)指揮ヨーロッパ室内合唱団(および、歌詞のないものはクラリネット合奏)による2002-11の録音。ヨーロッパ室内合唱団はなかなか素直な声で、いい演奏だ。

このモーツァルト・エディションは高水準の新録音も多く、全体的に値段からは信じられないようなレベルの高い演奏がそろっていて非常にお買い得だといえる。ただし、基本的に1枚ごとにプラケースがついているので、恐ろしく場所を取るというのが難点。たぶんそのうちボックスセットになってコンパクトなバージョンが出るんだろうけれど、順次買いそろえていくとどうしても棚を占拠することになる。

他にも同様の形で場所を取って仕方がないCDが多くなってきたので、試しに薄型で2枚収容のCDケースをいくつか購入して、そちらに移し替えてみた。ブックレットを入れることができなかったり、ジャケットや録音データを旧ケースから取りだして新ケースにのり付けするという手間がかかったりするが、占有スペースは約1/3になった。CD収納についてはいろいろな手段を試している人が各地にいるようだが、やはりそろそろ真剣に取り組む必要があるだろうな。

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