今日はモーツァルトの大ト短調(交響曲40番)を弾いてきた。オーケストラ歴22年にして初めてというのは珍しいかも知れないが、これまで意外にモーツァルトを弾く機会がなかったのだ。交響曲で言えば25、29(一部遊びで)、31、39そして今日の40しか弾いていない。もっともアマチュアオーケストラでは、編成の問題もあるし、技術的にも難しいから(40番も、まったく)モーツァルトを取り上げることが少ないのも事実。

この曲を弾いて改めて思ったけど、モーツァルトは「美しい」とか「繊細」というより、隙がないという感じがする。どの瞬間を切り取っても、見事に構築されている。ベートーベンだとひとまとまりのフレーズによってすごい建築性は感じるけれど、瞬間のデーモニッシュな凝縮性はモーツァルトのほうが上かも知れない。

ただし緩徐楽章は、何か違う。モーツァルトの緩徐楽章で甘美に陶酔して、mるで寝てくださいと言わんばかりの演奏も多い。ピリオド系の颯爽としたテンポだと、曲全体のバランスとして理解できるような気もするんだけど、自分の音楽としてはまだしっくりこない。

いろいろ考えながら弾いていくうちに、もっと見えてくることもあるんだろうけれど。

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