HMVに行ってみたら、ラトル+VPOによるベートーベン交響曲5番のCDが試聴できるようになっていたので、ヘッドフォンを耳にしてみた。さすがにOAEなどHIPオーケストラでもコンスタントな指揮活動をしているラトルだけあって、これらの研究の成果は十分取り込みました、という解釈だ。贅肉のないところはピリオド楽器演奏を連想させるが、オーケストラがVPOだから、筋肉質というか艶があるというか、量感があって「こりゃうまい!」と唸らせる演奏になっている。ウインナ・ホルンの咆吼も、胸がすく。しかし、冒頭のベースは1オクターブ下げてるんだね。EsやDの音が轟々と鳴っていた。

これがコンビによる初のベートーベン交響曲録音というのも意外な気がするし、カプリングがブラームスのバイオリン協奏曲というのも意味不明なところだが、買ってもいいかなと思わせる1枚のような気がした。全集録音をするらしいので、揃うのを待つという手もあるのだが。

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