Planet masaka played list 2017-08


  1. * 管各1本+SQ+2打のために書かれた、ドイツ語の「息」をタイトルとする、軽妙で繊細な音画あるいは音寸劇。併録「…なぜなら、わたしが今、そう言うから」というのもよく似た趣向だが、もう少し賑やか。シャリーノの「ディヴェルティメントから…」はハーモニクス+グリッサンドが煌めくさすがの作り。ヌールハイムのテネブレも。LAWO Classics LWC1085
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  2. * 順列ということで、固定された部分がいくつかの可能なリンクで結ばれるらしい。幾何学的というか旋律の正反対を行くVn独奏曲。併録「7つの種」はペルセポネとプルートとかアリスとかがテーマらしいSop+Bar+Perc+SQという変わった曲。Mode Records MOD-CD-60
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  3. * 併録の「火で埋葬を行なう村」とともに、ヒンドゥーの王侯の葬祭に用いられる音楽の再現だそうだ。賑やかというか祭儀的な打楽器が続いた後、あちらの世界を思う瞑想的な静寂に包まれて消えて行く。なかなか神秘的だ。Mode Records MOD-CD-51
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  4. * 打楽器アンサンブルが断片的に切れ目を入れる間を縫ってVnが技巧的かつ雄弁に語る、一種のVn協奏曲。作曲者はアルディッティ夫人だそうだ。併録のどれも、断片的な出来事が無秩序なようでいて何かの契機でつながっていく、飛び抜けて個性的でもないが、割としっくり来る音楽。Mode Records MOD-CD-292
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  5. * ローラ・マレンの詩が広い音域をゆったり行き来する無調のSopに、時おり独奏群が急激なパッセージで絡む。同じ詩をテーマにした連作が収められ、激しいVc独奏のア・ウェイ、楽器音と鋭い無声音をさまざまに混ぜ合わせるFl独奏に他の楽器が絡んでいく16、その最後の混沌がなだれ込むアパーチュアと、いずれもなかなかのもの。Mode Records MOD-CD-234
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  6. * シェーンベルク、ベルク、ウェーベルンの作品が併録されていることからも分かるように、新ウィーン楽派と同時代のノルウェイ作曲家。基本的に無調で一部十二音技法を使ったりもしつつ、そこはかとない詩情をたたえている。Pfだからちょうどいい具合という微妙なところではあるかもしれないが。LAWO Classics LWC1024
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  7. * 馬頭琴奏者の色拉西へのオマージュとして書かれ、技巧的だけれども非常に凝縮された音が間欠的に奏される。やや速度を早めたかと思うと元に戻り、最後また速度を早めつつ、線香花火のように終わる。中国名は梁雷だそうで、日本も含めた東アジアの要素を軸に、他の曲も間を重視した音作り。テンポを上げる場面でやや興醒めになることがあるのが残念。Mode Records MOD-CD-210
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  8. * 偶然性(作曲者によれば予測不能性)を導入した初期のコンピュータ音楽のI、IIは1963/64年だが、このIIIはPf2台で演奏する1999年の作品。事象の確率が長時間のうちに収束するというエルゴード性を扱うらしい。実験以上のものをどう見出すかはなかなか難しいところだが。Mode Records MOD-CD-185
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  9. * 図形楽譜で特に第3曲の「1952年12月」は有名らしい。12音技法だったり素材を作曲して演奏形式は自由(開かれた形式、composed material, open form)だったりと、いろいろなタイプのいわゆる現代音楽らしい作品が揃っている。こういうのを積極的に評価できるときとそうでないときが、もしかしたら気分によって違うかも。Mode Records MOD-CD-179
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  10. * Vc+Vn独奏に両者を電子処理した録音が加わり、自在なバレエの身体が拡張するという感じの表現。Vc+室内オケの「思考、場所、夢」、Vc+Pfの「血生臭い道」とか、間を取りながら繰り出される多彩な技巧の音が、どれも十分な質量を持って外に向かう。Mode Records MOD-CD-277
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  11. * 幼い少女の歌(ブレイクの詩?)を収録したテープが何度か挿入され、それをSQがなぞりながら素材を見出して発展して行き、最後は男の歌に重なる。10のフランケン舞曲はドイツ農民のフォークダンスを全編ハーモニクスで演奏する。フェスティーナ・レンテもハーモニクスとグリッサンドを多用した異空間の4楽章。「不安が川を越えて行く」は45分にわたってVn独奏がゆっくり問わず語りをする。タウラ/ノーヴォ・ベンはVa独奏が、後半は声を出して歌いながら。Mode Records MOD-CD-245
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  12. * 素早く姿を変えるかと思うと空虚な間にピチカートや高音グリッサンドが飛び散ったり、かと思うと音を束ねて迫ってみたり、忍者のような感じとでも言うか。木管+Vn+Vc+Pf+打というアファツィムもよく似ているが、楽器が多いだけ効果は多彩。「イーナ」はBFlに録音した6本のFlを重ね、尺八を中心にした怪談のよう。Mode Records MOD-CD-77
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  13. * 各楽器が短三度ほどの幅にある4つの音をそれぞれ奏しながら微妙に幅を狭めて行き、最後はユニゾンにたどり着くという全編微分音の不協和音の15分。1991年作。併録「小さな波」は、水をたたえた6つの器の音をマイクで拾って増幅させSQ+Trb+Pfがそのピッチに向かって音を変化させていくということらしい(たぶん)。他の楽器が微分音で動く中Pfだけが浮いているのが妙な感じ。1997年作。Mode Records MOD-CD-124
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  14. * 1時間45分にわたって、ぽつりぽつりとシンプルな音が重ねられていく。いちおう15のセクションがあって、P21 S1 M8 B1のようなラベルが与えられているが、どうも楽譜のページや小節番号でしかないような感じ。徐々に音高が変化していき、パターンも同じようでいて一定ではない。Mode Records MOD-CD-216
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  15. * 6人のVa奏者が織りなす巫山戯た楽しい8つの実験音楽室。さまざまなテクニックが面白くも豊かな響きを生む。マレの主題を使った姉妹作のただれっぷりは見事。ClとVcが加わる「ウィーンのワルツ」、Va+Tubaという特殊な組合せの「ヨナと鯨」、ダ・モーレ+5Vaの「オケゲム幻想曲」とどれも凝っていて面白い。Mode Records MOD-CD-207
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