リンクする書誌データ
- 巨大なグローバル・グラフ
- 社会グラフの記述とリンクするデータ
- RDFのトリプルとグラフ
- グローバルなデータ連携を可能にするRDF
- グラフを利用したコンテンツ推薦
- RDFと語彙の連携
- 内部データから交換、そして連携へ
- RDFのデータ表現とリンク ― 書誌を題材に
- Dublin CoreとDC-NDL
- DCMI抽象モデル
- RDFのリテラルとDCMI抽象モデル
- DCMI抽象モデルの非リテラル値
- エンティティ関係としての記述
- DCMI抽象モデルの符号化スキーム
- 主題・分類のRDF表現
- SKOSによる主題の表現
- 主題をあらわすクラスとは
- 主題URIの選択
- 分類にURIを与える
- 主題から分類へ
- 異なる主題スキームとの連動
- 主題リソースの例
- リンクするデータとしての書誌
- 国会図書館から始まる“リンクする書誌”
- URIの設計
- 考察
- 参照先
巨大なグローバル・グラフ
- 関心があるものを結びつけるネットワーク
  - インターネット:コンピュータを結びつける巨大なネット
    - 関心があるのはコンピュータどうしのつながりであって、それがどんなケーブルや通信手段を使っているかじゃないんだ
 
- ウェブ:文書を結びつける巨大なネット
    - 関心があるのは文書であって、それがどんなコンピュータや端末にあるかじゃないんだ
 
- 次は?:ものごとを結びつける巨大なネット
    - 関心があるのは「ものごと」であって、それがどんな文書に書かれているかじゃないんだ
 
 
- インターネット:コンピュータを結びつける巨大なネット
    
- 社会グラフとしてのつながり
  - 関心があるのは仕組み(ネットワーク)ではなくものごととそのつながり(グラフ)
- 人々がどうつながっているか、どんな記事を書いているか、何を読んだり聴いたりしたか…
- このつながり=グラフ=を、文書のレベルではなく、共有・再利用可能な形で記述するもの:セマンティック・ウェブ
- バーナーズ=リーの言うGiant Global Graph
 
 
社会グラフの記述とリンクするデータ
- 社会グラフを記述する要素
  - 識別:グラフを構成するものごとは何か
- 語彙とモデル:それはどんなものごとか
- リンク:ものごとがどのように結びつくか
 
- 記述の語彙とモデルを提供するRDF
  - RDFはものごとをトリプルとして簡潔に記述するモデル
- RDFスキーマ、OWLを用いて、記述のための語彙と概念(オントロジー)を定義する
 
- URIによる識別とリンク
  - URIはグローバルな識別とデータ統合を可能にする
- URI(http:スキーム)はグローバルなリンクを実現する
    - 人間向け文書のウェブではリンクが当然
- データ同士のグローバルな関連付けと参照がネットワーク効果を生む
 
- バーナーズ=リーによるLinked Dataの提唱
 
RDFのトリプルとグラフ
- 処理しやすいシンプルなトリプル
  - RDF: リソース(ものごと)の関係を主語、述語、目的語のトリプルで記述する
 
- どんなデータでもこの3つの要素だけ考えればよいので処理がシンプル
 
- 複雑なデータを記述できる柔軟なグラフ
  - グラフ=トリプルの集合は複雑なモデルも表現できる
- 複雑なモデルも単純なトリプルに還元できる
 
 
グローバルなデータ連携を可能にするRDF
- 同一の名前のRDFノードは併合できる
  - 「Opera」という名前の2つのノード(リテラルノード)は、同一であることが確認できないのでマージできない
- http://www.kanzaki.com/ns/music#Operaと名前付けられたノードは、併合できる
 
 
- URIによる識別は、グラフのグローバルな併合を可能にする
  - 異なる場所に保存されているRDFグラフでも、同じURIならばノードは併合できる
- 異なる図書館、あるいはサービスのデータをRDFグラフで表現すれば、併合できる
- ひとつの組織、サービスではカバーしていない情報も、グラフ併合によって共有=連携できる
 
グラフを利用したコンテンツ推薦
- さまざまなデータを併合してグラフのつながりを見つける
  - 私には友人がいる
- 読んだ本の感想が書かれたウェブログがある
- 図書館での本の貸し出し記録がある
 
- グラフをたどることで推奨コンテンツをみつける
  - よく借りられている本よりも、知人が借りた本、あるいは知人が書評している本を推薦する
 
- RDFのグラフを利用した推薦については評判のオントロジーとFOAFも参照
 
RDFと語彙の連携
- サブプロパティ定義と推論
  - 異なるプロパティ(述語)を、共通語彙のサブプロパティとして定義できる
    - ex:著者 rdfs:subPropertyOf dc:creator. eg:作者 rdfs:subPropertyOf dc:creator.
 
 
- サブプロパティ関係を利用した推論ができる
    - サブプロパティ定義があれば、X ex:著者 Y. からX dc:creator Y. を導くことができる
- 異なるプロパティを用いたグラフを、dc:creatorを使って横断検索できる
 
 
 
- 異なるプロパティ(述語)を、共通語彙のサブプロパティとして定義できる
    
- 異なる語彙をRDFを介して効率的にマッピングする
  - 語彙統一は非現実的、サービスごとにマッピングを行うのは非効率(N×N問題)
- 異なる語彙をRDF経由でマッピングすることで、N×1に
 
内部データから交換、そして連携へ
- 内部データ
  - ターゲットは自サービスの利用者(+データ管理者)
- 扱う資源に合わせた、自組織で扱いやすいデータモデル
- RDFであってもよいが、RDBMSなど扱いやすい形でよい
 
- 交換データ
  - ターゲットは相手サービス(データベース同士)
- 互いに変換可能な語彙とデータモデル
- 直接交換や領域内交換ならカスタム形式でも可能だが、多数のサービスが対応するには、RDFのような中間フォーマットを介したマッピングが効率的
 
- 連携するデータ
  - ターゲットはグローバルな利用者(のためのエージェント)
- 併合やリンクと、語彙マッピングあるいは複合語彙による、単独サービスを超えた情報
- RDFを介したデータ連携に関しては、RDFとメタデータの相互運用も参照
 
RDFのデータ表現とリンク ― 書誌を題材に
- 書誌データを記述する語彙
  - 図書館領域で用いられるMARCとMARC XML、MODS
    - MODSのRDF化については連携するデータ、リンクするデータ参照
 
- 領域をまたぐDublin Core
 
- 図書館領域で用いられるMARCとMARC XML、MODS
    
- RDFの特長を生かす書誌データ記述
  - 図書館どうしの連携や、デジタル図書館、オンライン書店など他のサービスとの連動
- 社会グラフ(FOAFなどのRDFデータ)を利用した新しいサービス
- 書誌以外のさまざまな社会グラフ併合のための標準URIの提供
 
Dublin CoreとDC-NDL
- DCおよびDC-NDLを用いた書誌の記述
  - Simple Dublin Core(全てリテラル値)でOPACの出力の一部を記述
- <rdf:Description> <dc:title>セマンティック・ウェブのためのRDF/OWL入門</dc:title> <dc:publisher>森北出版</dc:publisher> <dcterms:issued>2005-01</dcterms:issued> <dc:creator>神崎, 正英 (1960-)</dc:creator> <dcndl:creatorTranscription>カンザキ,マサヒデ</dcndl:creatorTranscription> ... <dc:subject>セマンティックウェブ</dc:subject> <mods:classification>547.483</mods:classification> </rdf:Description> 
 
 
- Simple DCのデータ記述は…
  - 単純明快で、語彙の連携(横断検索)はとりあえず可能になる
- リンクするデータにはならない
- 主題(dc:subject)や分類(mods:classification)のスキームの区別をつけたい
- 個別図書館固有の情報(請求記号、書誌IDなど)はどう表現する?
- →そこで、DCの抽象モデルを検討してみる
 
DCMI抽象モデル
- プロパティ値を表す「サロゲート」(代理)の導入
  - リテラル値の場合は、サロゲートが値文字列(value string)のみを持つ
- 非リテラル値の場合は、サロゲートが値文字列のほかにURIと語彙符号化スキーム(vocabulary encoding scheme)を持つ
 
- 基本的にプロパティ値となる文字列を中心にしたモデル
 
- 値文字列の付加情報
  - 値文字列は、プレーンリテラルと型付リテラルの2通りがある(RDFのリテラルと同じ)
- 型付リテラルのデータ型は構文符号化スキーム(syntax encoding scheme)として表現される
 
 
RDFのリテラルとDCMI抽象モデル
- RDFプレーンリテラル
  - 自然言語の文字列
- オプションで言語コードを加えることができる
 
- RDF型付リテラル
  - データ型=リテラルの「字句」を字句が表す「値」にマッピングするもの
- "2008"という字句を数字として、文字列として、もしくは年として処理する(数値データ値空間、文字データ値空間、日時データ空間にマッピングする)
- 基本的なデータ型はXML Schemaのデータ型を用いて表し、RDF/XMLではrdf:datatype属性で記述する
- <published rdf:datatype="&xsd;gYear">2008</published> 
 
- DCMIリテラル値のRDF表現
  - 構文符号化スキームをデータ型とした型付リテラルで記述する(サロゲートは明示しない)
- <dcterms:issued - rdf:datatype="- &dcterms;W3C-DTF">2005-01</dcterms:issued>- 文字列の解釈方法(構文)にW3C-DTFを用いる(この文字列は算術の引き算ではない)
 
 
DCMI抽象モデルの非リテラル値
- DCMI非リテラル値のRDF表現
  - 非リテラル値をリソースとして記述する(値URIがあれば、リソースのURIとする)
- 語彙符号化スキームURIをdcam:memberOfプロパティで示す- dcam:は- http://purl.org/dc/dcam/に対応
 
- 値文字列はrdf:valueプロパティで示す。複数あってもよい
- <dc:creator> <rdf:Description> < - dcam:memberOfrdf:resource="- &dcndl;NDLNH"/> <- rdf:valuexml:lang="ja">神崎正英</rdf:value> <dc:identifiler>00797230</dc:identifiler><!--名称標目ID--> </rdf:Description> </dc:creator>
 
 
エンティティ関係としての記述
- DCMI抽象モデルの非リテラル値リソースとは?
  - 抽象モデルでの非リテラル値の定義は、a value which is a physical, digital or conceptual entity 
- ここで、非リテラル値は語彙符号化スキームを一つしか持つことができない
- 国立国会図書館名称標目スキーム(dcndl:NDLNH)で記述された「値」は、人名辞典に掲載される「値」とは区別されることになる
- →人物というより、あるカタログの人物登録データをあらわすリソースといえる
 
- 抽象モデルでの非リテラル値の定義は、
- プロパティの目的語を素直に実体として記述すれば
  - dc:creatorの目的語を人物として表現
- <dc:creator> <foaf:Person rdf:about="http://ndl.go.jp/dcndl/ndlnh#00797230"> <foaf:name>神崎正英</foaf:name> </foaf:Person> </dc:creator> 
- 明確に人物をあらわすので、写真、ウェブログなど、他のプロパティも自然に加えることができる
- →リンクするデータ!
 
DCMI抽象モデルの符号化スキーム
- 語彙符号化と構文符号化
  - 語彙符号化スキームはAn enumerated set of resources - 一般には、概念もしくは名前の集合を定義した名前空間(オントロジー、シソーラスなど)と考えられる
- dcterms:では、LCSH、MESH、DDC、LCC、UDC、DCMIType、NLM、IMT、TGNが相当
 
- 構文符号化スキームは A set of strings and an associated set of rules that describe a mapping between that set of strings and a set of resources - たとえば、xsd:dateTimeならば、2008-01-17T14:00:00+09:00という構文の文字列が期待でき、プログラムで日時計算ができる
- たとえばdcterms:Boxならばname=Japan; northlimit=45.56; southlimit=20.43; westlimit=122.93; eastlimit=153.99という形
- ISO3166(国コード)のように、文字列とリソースの対応の一覧を提供するものでもよい
 
- たとえば、
 
- 語彙符号化スキームは
- 主題や分類の符号化スキームは語彙なのか構文なのか
  - 「セマンティックウェブ」のような主題件名を符号化スキームとして定めたdcndl:NDLSHは、マッピングではなく列挙=語彙符号化スキーム
- 「547.483」のような十進分類を定義したdcndl:NDCは、文字列の解釈規則(マッピング)=構文符号化スキーム(?)
    - 分類を列挙したものと見れば語彙符号化スキーム(dcterms:DDCは語彙符号化スキームとされている)
- 以下の例では、構文符号化スキームとした場合を検討
 
- 分類を列挙したものと見れば語彙符号化スキーム(
 
主題・分類のRDF表現
- 主題のDCMI抽象モデルRDF表現
  - 主題に対応するリソースを考え、語彙符号化スキームで主題集合(シソーラス)を指定する
- <dc:subject> <rdf:Description> <dcam:memberOf rdf:resource=" - &dcndl;NDLSH"/> <rdf:value xml:lang="ja">- セマンティックウェブ</rdf:value> <dc:identifier>01017771</dc:identifiler><!--件名標目ID--> </rdf:Description> </dc:subject>
 
- 日本十進分類のDCMI抽象モデルRDF表現
  - リテラル値として、型付リテラルを直接記述する方法
- <mods:classification rdf:datatype=" - &dcndl;NDC">- 547.483</mods:classification>
 
- 分類に対応するリソースを考え、その値文字列を型付リテラルにする方法
- <mods:classification> <rdf:Description> <rdf:value rdf:datatype="&dcndl;NDC">547.483</rdf:value> </rdf:Description> </mods:classification> 
 
 
SKOSによる主題の表現
- 主題件名をskos:Conceptとして記述する
  - SKOSの語彙をDCMI抽象モデルに当てはめて記述すると
- <dc:subject> < - skos:Concept> <- skos:inSchemerdf:resource="&dcndl;NDLSH"/> <- skos:prefLabelxml:lang="ja">セマンティックウェブ</skos:prefLabel> </skos:Concept> </dc:subject>
- 主題にURIを与えれば、個別書誌の記述はシンプルにできる(リンクするデータとなる)
- <dc:subject rdf:resource="&ndlsh;セマンティックウェブ"/> 
- SKOSならシソーラスとしての関連主題を記述できる
- <skos:Concept rdf:about="&ndlsh;セマンティックウェブ"> <skos:prefLabel>セマンティックウェブ</skos:prefLabel> < - skos:broaderrdf:resource="&ndlsh;インターネット"/> <- skos:relatedrdf:resource="&ndlsh;オントロジー(情報科学)"/> <- skos:relatedrdf:resource="&ndlsh;メタデータ"/> <- skos:relatedrdf:resource="&ndlsh;情報検索"/> </skos:Concept>
 
主題をあらわすクラスとは
- skos:Conceptと主題件名
  - skos:Conceptの定義はAn abstract idea or notion; a unit of thought. 
- 主題件名には抽象概念とはいえないものもある(例:「関ケ原の戦」は「戦」という概念の具体的インスタンス、あるいはFRBRのEvent)
 
- skos:Conceptの定義は
- 主題を表す、より柔軟なクラスを考える
  - 主題そのものを表すwm:Subjectクラスを導入- wm:はhttp://purl.org/net/ns/wordmap#
 
- wm:は
- < - wm:Subject> <skos:prefLabel>セマンティックウェブ</skos:prefLabel> <skos:altLabel>Semantic Web</skos:altLabel> ...- skos:prefLabelなどは定義域が- skos:Conceptになってしまうので、厳密にはこれらのプロパティも検討が必要
 
 
- 主題そのものを表す
主題URIの選択
- 件名ID番号をURIにする方法
  - http://example.org/ndlsh/ - 01017771
- 長所:曖昧さがなく、文字コードの問題がない
- 短所:直感的に分かりにくく、キーワードなどからの自動的なリンク生成が難しい
 
- ラベルを主題URIにする方法
  - http://example.org/ndlsh/ - セマンティックウェブ
- 長所:直感的に分かりやすく、文書中の単語から直接リンクさせることも可能
- 短所:多義語の可能性、文字コードに由来する複雑さ
 
- 主題のURIと主題説明文書
  - 現在のウェブ・アーキテクチャでは、情報表現を直接取得できるURIは情報リソース(文書)
- 主題説明文書URIと主題URIを区別する試験的なURI
- http://www.kanzaki.com/ns/ndlsh/セマンティックウェブ (文書URI) http://www.kanzaki.com/ns/ndlsh/セマンティックウェブ - #s(主題URI)
 
分類にURIを与える
- 分類にリンクする
  - 型付リテラルではその先にリンクできないが、URIを与えれば「リンク可能な分類」となる(分類の定義などを取得できる)
- <mods:classification rdf:resource="&ndc;547.483"/> 
 
- 分類記号を型付リテラルではなく語彙体系として考える
  - 分類をwm:Categoryクラスのインスタンスとして表現し、上位分類とwm:subCategoryOfで結ぶ
- 十進分類を知らないアプリケーションでも体系をリンクとして利用できる
- < - wm:Categoryrdf:about="&ndc;547.483"> <rdfs:label>データ通信網</rdfs:label> <- wm:subCategoryOfrdf:resource="&ndc;547.48"/> </wm:Category> <- wm:Categoryrdf:about="&ndc;547.48"> <rdfs:label>データ通信</rdfs:label> <- wm:subCategoryOfrdf:resource="&ndc;547.4"/> </wm:Category> ...
 
 
- 分類を
主題から分類へ
- NDLSHとNDC、NDLCを結びつける
  - NDLSHの各主題件名に記された分類を利用
- 件名と分類はwm:categoryで結びつける(プロパティ名としては小文字)
- <wm:Subject rdf:about="http://www.kanzaki.com/ns/ndlsh/セマンティックウェブ#s"> <skos:prefLabel>セマンティックウェブ</skos:prefLabel> ... <wm:category rdf:resource="&ndc;547.483"/> <wm:category rdf:resource="&ndc;694.5"/> <wm:category rdf:resource="&ndlc;DK341"/> <wm:category rdf:resource="&ndlc;ND633"/> ... 
 
- リンクするデータとしての利用
  - ウェブページなどのリソースは、自然言語のキーワードを持つことが多い=主題件名URIと関連付けやすい
- 図書館やオンライン書店は、NDCで検索できるものが少なくない
- ウェブ資源→主題件名URI→分類URI→オンライン書店といったリンクの連鎖を形成できる
 
異なる主題スキームとの連動
- 主題件名のマッピング
  - 複数の主題件名シソーラスが存在し、同じ主題を重複定義している
- Wikipedia、フォークソノミーなど、図書館以外の世界でも主題に関する定義がさまざまな形で存在する
- シソーラス間のマッピングができれば、より充実したリンクするデータとなる
 
- SKOSのマッピング語彙
  - SKOS Use Cases and Requirementsにおいて、R-ConceptualMappingLinksとしてマッピングの必要性が明記されている
- SKOS Mapping Vocabulary Specificationとして検討されたマッピング用語彙がある:定義の一致度合いに応じて、exactMatch、broadMatch、narrowMatch、majorMatch、minorMatchといった関連付けを行う
- <wm:Subject rdf:about="http://www.kanzaki.com/ns/ndlsh/セマンティックウェブ#s"> <skos:prefLabel>セマンティックウェブ</skos:prefLabel> ... < - skosmap:exactMatchrdf:resource="http://dbpedia.org/resource/Semantic_Web"/> ...- skosmap:は- http://www.w3.org/2004/02/skos/mapping#、ただしこの名前空間URIが今後も使用されるかどうかは不明
 
 
主題リソースの例
- リンクデータ版NDLSHの試作
  - http://www.kanzaki.com/ns/ndlsh/にて試行中
- 前記の各項目に加え、読みをuba:pronunciation(UB Accessで定義している語彙)、〈細目〉をskos:editorialNoteとして記述
 
- 件名「セマンティックウェブ」の例
  - <wm:Subject rdf:about="http://www.kanzaki.com/ns/ndlsh/セマンティックウェブ#s"> <skos:prefLabel>セマンティックウェブ</skos:prefLabel> <dc:identifier>ndl:authid:01017771</dc:identifier> <uba:pronunciation>セマンティックウェブ</uba:pronunciation> <skos:broader rdf:resource="&ndlsh;インターネット"/> <skos:related rdf:resource="&ndlsh;オントロジー(情報科学)"/> <skos:related rdf:resource="&ndlsh;メタデータ"/> <skos:related rdf:resource="&ndlsh;情報検索"/> <wm:category rdf:resource="&ndc;547.483"/> <wm:category rdf:resource="&ndc;694.5"/> <wm:category rdf:resource="&ndlc;DK341"/> <wm:category rdf:resource="&ndlc;ND633"/> <skmap:majorMatch rdf:resource="http://www.kanzaki.com/ns/psi/ja/セマンティックウェブ#s"/> </w:Subject> 
- 実際のRDFはhttp://www.kanzaki.com/ns/ndlsh/セマンティックウェブ#sを参照
 
リンクするデータとしての書誌
- リテラルではなくURIを、urn:ではなくhttp:を
  - 書誌のさまざまなデータは、型付リテラル(構文符号化スキームによる識別)ではなく、URIを持つリソースとして記述することでリンクが可能になる
- URIにはurn:、info:などではなく、http:スキームを使い、実際に何らかのデータが取得できるようにする
- 取得できるデータからさらにリンクを延ばす(例:主題件名から分類、あるいは別のシソーラスへのマッピング)
 
- Tabulatorで見たリンクする書誌
  - RDFブラウザTabulatorでリンクするデータを視覚化してみると
 
 
国会図書館から始まる“リンクする書誌”
- グローバルなグラフ併合のためには共有できるURIが必要
  - ウェブ上に多数存在する、書籍や人物に関するデータを併合したい
- できれば誰もが使う標準URI、でなければ、各地のURIを束ねるハブとなるURIを
 
- 国立国会図書館の標準識別子を「リンクできるURI」に
  - 全国書誌番号:信頼できる書籍のURIとして(urn:nbn:よりもhttp:)
- 名称標目(典拠ファイル):著者や出版社をあらわすURIとして
- 件名標目:主題のリソース化=リンク可能な主題として
- 国立国会図書館分類表:リンク可能な分類として
 
- URIは誰が与えてもかまわないが
  - http://isbn.org/よりもASINがISBNリンクに使われるように、識別子のURI化は誰が行ってもよい
- とはいえ責任主体がURI化するなら、より信頼度が高く安定したURIとなる
 
URIの設計
- 情報リソースと非情報リソースのURI
  - 情報リソース:ネットワーク経由でその本質的な情報を取得できるもの(ウェブページ、画像など)
- 非情報リソース:ネットワークでは取得できないもの(主題、人、書籍など)
- 非情報リソースのURIは、フラグメント識別子を持つか、サーバ側で303転送を行う必要がある(Cool URIs for the Semantic Webなどを参照)
 
- 書誌URIと書籍URIの区別
  - 書誌(書籍の記述メタデータ)と書誌のメタデータ(メタ・メタデータあるいは管理メタデータ)を区別する
- 校了日、最終更新のような書誌のメタデータ、請求記号のような「その図書館が所蔵する書籍インスタンス」を、書籍自身とは別のリソースとして記述する
 
- 使い分けのサンプル
  - 全国書誌番号を書誌メタデータのURIに用い、書籍URIをフラグメント識別子により参照する形
- <!-- 書誌メタデータ --> <rdf:Description rdf:about="&jpno;20730084"> <ndl:biblioId>000007614821</ndl:biblioId> <ndl:copy rdf:resource="&RefCode;ND633-H873"/> <ndl:proofDate>2005-02-08</ndl:proofDate> <dcterms:modified>2005-11-17T10:10:57</dcterms:modified> <ndl:records rdf:resource="&jpno;20730084#book"/> </rdf:Description> <!-- 書誌(書籍メタデータ)--> <rdf:Description rdf:about="&jpno;20730084#book"> <dc:title>セマンティック・ウェブのためのRDF/OWL入門</dc:title> <dcterms:issued>2005-01</dcterms:issued> ... </rdf:Description> 
 
 
考察
- 図書館の書誌とウェブページの情報は質が異なるので、リンクや併合は慎重にすべきでは
  - 信頼連鎖モデルなど、情報の質や信頼度の尺度を導入する
- 利用者(アプリケーション)が由来や信頼情報を確認できるようにする
    - RDFトリプルは併合してしまうと情報源が分からなくなるが、運用上は由来情報を加えた「四つ組み」を扱うことが多い
 
 
- 標準識別子のURIが複数できると混乱しないか
  - ひとつのリソースに複数のURIが与えられてもよく、それらはowl:sameAsの関係になる
- 利用者からすれば、ひとつのURIのほうが使いやすいことは確か
 
- ひとつのリソースに複数のURIが与えられてもよく、それらは
- OPAC検索結果をリンクするデータに組み込めないか
  - GETリクエストで検索ができるようにする
- セッションIDやクッキーで利用を限定しない
 
参照先
- 参照したリソース
  - Giant Global Graph, by Tim Berners-Lee, 
 <http://dig.csail.mit.edu/breadcrumbs/node/215>
- Linked Data - Design Issues, Tim Berners-Lee
 <http://www.w3.org/DesignIssues/LinkedData.html>
- Resource Description Framework
 <http://www.w3.org/RDF/>
- 評判のオントロジーとFOAF, 
 <http://www.kanzaki.com/works/2007/pub/0125intap.html>
- RDFとメタデータの相互運用, 
 <http://www.kanzaki.com/works/2007/pub/0309dlw.html>
- MARC XML
 <http://www.loc.gov/standards/marcxml/>
- Metadata Object Description Schema
 <http://www.loc.gov/standards/mods/>
- 連携するデータ、リンクするデータ, 
 <http://www.kanzaki.com/works/2007/pub/1129keio.html>
- Dublin Core Metadata Initiative
 <http://www.dublincore.org/>
- "Singapore Framework" for Dublin Core Application Profiles
 <http://dublincore.org/architecturewiki/SingaporeFramework>
- 国立国会図書館ダブリンコアメタデータ記述要素, 
 <http://ndl.go.jp/jp/standards/dcndl/>
- DCMI Abstract Model, by Andy Powell, et al., , DCMI Recommendation
 <http://www.dublincore.org/documents/abstract-model/>
- SKOS Core Vocabulary Specification, by Alistair Miles and Dan Brickley, , W3C Working Draft
 <http://www.w3.org/TR/2005/WD-swbp-skos-core-spec-20051102/>
- SKOS Use Cases and Requirements, by Antoine Isaac, Jon Phipps and Daniel Rubin, , W3C Working Draft
 <http://www.w3.org/TR/skos-ucr>
- SKOS Mapping Vocabulary Specification, by Alistair Miles and Dan Brickley, , editor's draft
 <http://www.w3.org/2004/02/skos/mapping/spec/>
- リンクデータ版国立国会図書館件名標目
 <http://www.kanzaki.com/ns/ndlsh/>
- UB Access
 <http://www.ubaccess.com/>
- Tabulator: Generic data browser
 <http://www.w3.org/2005/ajar/tab>
- Cool URIs for the Semantic Web, by Leo Sauermann and Richard Cyganiak, , W3C Working Draft
 <http://www.w3.org/TR/cooluris>
 
- Giant Global Graph, by Tim Berners-Lee, 



